最近株やFXに興味を持ち始めた知り合いに「FXって何なの?」という漠然とした質問されました。
長年FXをやっている僕からすると、FXに興味を持ってくれるのは嬉しいことではありますが、お金を失うリスクが非常に高い事を併せて説明する必要があります。
トレードのやり方を始めとし、利益が生まれる仕組みと損失が膨らむメカニズム、少額でもトレード出来る仕組みなどFXの触りを説明したつもりでしたが、短時間で理解出来るはずも無く余計混乱させてしまったようです。
反省する部分も多々ありましたので、この人と同じような悩みを持つ人の為に分かりやすく説明したいと思い、この記事を書くことにしました。
FXに興味はあるけど、何を勉強したら良いのか、何が分からないのか分からない状態の人向けの記事になります。
少し長いですが、どこよりも分かりやすく実践的な記事ですので、本気でFXを学びたい人は頑張って読んでみてください。
FXの買い注文と売り注文の基本
FXとは外国為替証拠金取引の略称で、簡単に言えば他国の通貨と両替をするのがFXです。
FXの注文は「買い」から始めるケースと「売り」から始めるケースに分かれます。
為替相場がこの先値上がりすると考えるのであれば買い注文を行い、反対に値下がりすると考えるのであれば売り注文から始めます。
厳密には指値注文や成行注文がありますが、今回の話に注文方方式の違いは関係してこないため、細かい違いの説明は割愛します。
一度理解してしまえば仕組みは簡単なので、まずは次の画像をご覧下さい。
FXの売買は決済注文が成立した時点で損益が確定します。
売買が未完了の状態では自分の口座残高に影響せず、その間の売買損益の変動は「含み益」や「含み損」と言った言葉で表します。
※口座残高を超える含み損が発生した場合は強制ロスカットとなります。
この話は後述します。
売買の計算式として「売値-買値=損益」となりますので、為替を含めた世の中の売買はこの方式で成立しています。
売りから始めるケース
安く買って高く売るのは商売の基本ですので、誰でも考えやすいのですが、売りから始めるケースは混乱する人が多いように思えるので、簡単に整理した画像を用意しました。
通貨で説明すると混乱するかもしれないので、通貨に近い価格で身近な缶ジュースで例えるとします。
権利を予約すると言った方がイメージしやすいでしょうか。
売り注文を行う場合、先に売却レートを確定させるイメージです。
で、その後為替変動が起きて価格が値下がりした時点で決済すれば、安く商品を買えたと言うことになりますので、その差額が利益となります。
画像の説明ですと、120円で売りレートを確定させ、119円まで落ちたところで商品を買うことで、119円で買った商品を120円で売る処理が内部的に行われます。
つまり、120円-119円=1円が利益と言うことです。
コレとは逆に、確定させた売りレートよりも価格が上昇した場合には損失が発生します。
画像の説明ですと、120円で売りレートを確定させ、121円で商品を買ったことになりますので、120円-121円=-1円となり、損をする事になります。
買いから始めるケース
売りから始めるケースに比べて買いから始めるケースは違和感がないので、分かりやすいかと思います。
買ったレートよりも高く決済すれば利益になりますし、安く決済すれば損失になります。
売りでも買いでも仕組みは一緒
売りはややこしいから買いの方が計算しやすいと考えてしまい、売りから始めることに苦手意識を持つ人が居ます。
売りでも買いでも損益の計算は同じですので、難しく考える必要はありません。
売りレート-買いレート=売買損益
売りから入る場合は、売りレートを先に確定さえ、その後に買いレートで決済するだけです。
買いから入る場合は、買いレートを先に決済させ、その後に売りレートで決済するだけです。
売買損益の仕組み
前章「FXの買い注文と売り注文の基本」で売買の基本は大体イメージ出来たかと思います。
先ほどの例では缶ジュース1本の価格が1円変動することで、損益が1円変動することは分かりました。
一般的にFXの取引数量は1万通貨単位での取引が基本であり、大金を両替することで少ない為替変動でも大きな利益を作る事が可能になっています。
例えば、1万本の缶ジュースを注文していて、1円の価格変動が起きた場合に、どれくらいの損益となるのかは次の画像をご覧下さい。
売買損益は注文する数量によって増減します。
画像では1万本の缶ジュースで計算していますが、10万本の缶ジュースでも同じ計算式になりますので、その損益は1万本のジュースの10倍になります。
よって、大きな利益を得たいのであれば大きな数量で注文します。
しかし、当然ながら思惑と違う方向へ逆行する可能性もありますので、数量を大きくすると損益の増減も激しくなりリスクが増えてしまいます。
資金量とのバランスが非常に大事になっています。
レバレッジ
FXの最大の特徴として「レバレッジ」と言う仕組みがあります。
レバレッジは自分のお金をブーストさせてトレード出来る機能だと思って下さい。
ドラゴンボールで例えると「○倍界王拳」みたいな感じです。
FXは為替レートの差分から利益をつくるために、内部的に大金を両替しています。
1万通貨の両替では1ドル105円×10,000通貨=1,050,000円分のドルと両替すると言うことになります。
※以下105万円と表記
1ドル105円で1万通貨外貨預金すると105万円必要になりますが、FXはレバレッジが使えるので少ない資金でも手持ちのお金以上の両替を行うことが可能になります。
レバレッジを掛けてFXをする場合、1万通貨の両替を行うために必要な資金量は下記になります。
レバレッジ | 必要証拠金 | 備考 |
---|---|---|
1倍 | 105万円 | 外貨預金と同義 |
2倍 | 52.5万円 | |
5倍 | 21万円 | |
10倍 | 10.5万円 | |
25倍 | 4.2万円 |
レバレッジは、トレードするために必要な証拠金を多くするのか少なくするのかを設定するためだけの条件閾値のようなものです。
どんなレバレッジであれ1万通貨で1円の値幅を取れてもリターンは同じ1万円の利益です。
であるならば、レバレッジは高い方が必要な証拠金を少なくできるため、口座に入れるお金自体を少なくできるので想定外の値動きに備えたリスク回避策とも考えられますので、一見するとお得に見えるかも知れません。
しかし、証拠金が少ないと言うことは後述する強制ロスカットまでの道も近くなると言うことですので、レバレッジを上げたトレードは諸刃の剣と言うことになります。
強制ロスカット
強制ロスカットというのは、「特定の条件」を下回ったとき保有しているポジションが強制決済される仕組みです。
ややこしい計算になりますが、強制ロスカットは入金額以上の損失を被らない為の仕組みだと思ってください。
強制ロスカットに至る特定の条件は、取引業者によって事なりますが、僕が使っているXMの場合ですと損失額が証拠金の20%を下回った時点で強制ロスカットとなります。
ちょっと話が難しくなってきたので画像を用いて整理してみましょう。
取引数量を増やせば狙えるリターンは増えますが、同時に逆行時に強制ロスカットされるリスクも高まります。
この辺のバランスを常に考えて、トレードで損失をどれくらい許容出来るのかをあらかじめ考えておく必要があるのです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、FXの計算式は複雑だと言うことです。
慣れてくればそれほど混乱することもありませんが、毎回計算をするのが面倒くさいです。
この様な計算を簡単にするために作成したツールがこちらです。
スマホからでも使えますので是非ご利用ください。