FXとは「円とドル」「ユーロとポンド」など、異なる国の通貨を売買して利益を狙う取引のことです。
たとえば、あなたが1米ドル100円のときに10万円分の外貨預金(100,000円÷100円=1,000米ドル)をしたとします。この外貨預金がドル円相場の変動によってどのような影響があるのかというと・・・
- 1米ドル110円に値上がりした場合
110円×1,000米ドル=110,000円 - 1米ドル90円に値下がりした場合
90円×1,000米ドル=90,000円
となります。
これと同じことを、レバレッジをかけて、大量の両替を行うのが「FX」です。
💱 通貨ペアの考え方(例:USD/JPY)

初心者はまず「ドルストレート」から取引するのが無難です(特にEUR/USDやUSD/JPY)。
FXの商品は「基軸通貨/決済通貨」の組み合わせで構成されており、次のパターンがあります。
- ドルストレート(USD/JPY、EUR/USDなど)
- クロス円(EUR/JPY、GBP/JPYなど)
- クロスカレンシー(EUR/GBP、GBP/AUDなど)
特徴項目 | ドルストレート | クロス円 | クロスカレンシー |
---|---|---|---|
USDの有無 | 含む | 含む(価格計算に) | 含まない |
取引量 | 最大級 | 多い(日本人に人気) | やや少なめ・組み合わせ次第 |
値動き傾向 | 安定、素直 | ボラ高め | 変則的・癖あり |
テクニカル性 | 効きやすい | 効くが乱高下もあり | 相場状況に左右されやすい |
情報量 | 非常に多い | 多い | 少なめ |
初心者向き | ◎ | ○(ただし慎重に) | △(上級者向け) |
📈 売買の基本:「買う(ロング)」と「売る(ショート)」
FXは買い注文と売り注文の両方が可能です。
相場が上がると思えば買い注文を行い、相場が下がると思えば売り注文から始められます。
種類 | 何を期待する? | 例(USD/JPY) |
---|---|---|
買い(ロング) | 価格が上がると利益 | 1ドル=100円 → 110円で利益 |
売り(ショート) | 価格が下がると利益 | 1ドル=110円 → 100円で利益 |
注文から決済までの流れ
FXは新規注文と決済がセットになっており、決済が行われるまで(ポジション保有中)は損益が確定しません。


この画像は1ドルの注文を行った場合のフローになります。
- 150円:新規注文
- 149円:ポジション保有(1円の含み損)
- 151円:ポジション保有(1円の含み益)
- 152円:決済(2円の利益確定)
含み損・含み益があろうがなかろうが、決済するまでは損益は確定しません。
💡 レバレッジのイメージ(てこの原理)
少ないお金で大きな取引ができるのがFXの特徴です。
通常の外貨預金(レバレッジ1倍)では、1万USDJPYの注文をするには150万円の資金が必要になりますが、FXはレバレッジを効かせられるので、100万円を超えるような大金は必要ありません。
たとえば、10万円で25倍のレバレッジをかけると、 250万円分の取引が可能になります。海外FXの場合でしたら何百倍のレバレッジを使うことも可能ですので、大変資金効率が良いです。
ただし、レバレッジを使うと大きく儲けられる反面、大きく損するリスクも大きくなる諸刃の剣であることを十分理解する必要があります。
レバレッジの計算式



レバレッジの計算式です。
レート × 取引量 ÷ レバレッジ = 必要証拠金
FXの取引単位は通常1万通貨単位で行いますので、1万USDJPYが基本となります。
たとえば1米ドル150円の時に、1万USDJPYを取引するために必要な証拠金は次の通りです。
レバレッジ | 必要証拠金 |
---|---|
1倍 | 1,500,000円 |
25倍 | 60,000円 |
200倍 | 7,500円 |
レバレッジ取引の注意点
レバレッジを効かせると、少ない証拠金でトレードすることが可能になりますが、ロスカットのリスクが高まります。
業者によってロスカット執行レートは異なりますが、たとえば海外FX業者のXMではロスカット執行レートが必要証拠金の20%に定められています。



ロスカットまでの計算式です。
必要証拠金 × 0.2 = ロスカット執行残高
レバレッジ | 必要証拠金 | ロスカット執行残高 |
---|---|---|
1倍 | 1,500,000円 | 300,000円 |
25倍 | 60,000円 | 12,000円 |
200倍 | 7,500円 | 1,500円 |
具体的には、10万円の資金でレバレッジ25倍のドル円を1万通貨トレードしたとします。
この場合、ロスカット執行残高は12,000円ですので、口座の評価残高が12,000円を下回ると強制的にロスカットが執行される仕組みになっています。
つまり、8.8万円までの含み損(約8.8円の逆行)を抱えない限り強制ロスカットは起こりませんので、比較的安心してトレードを行うことができます。
極端な例を出すならば、口座残高=必要証拠金となる最低金額さえ口座にあれば、トレードは可能なのですから、1万円の資金でレバレッジ200倍で1万通貨のトレードをすることも可能です。
この場合、ロスカットまでの余力は8,500円(約0.85円)分の逆行が起こればロスカットになります。



あっという間にロスカットされる・・・
十分な余力となる残高がない状態で無茶なトレードをすると、簡単にロスカットされてしまうので、リスク計算は十分に行う必要があります。
🎯FXの魅力まとめ
- 少ない資金でも取引できる(レバレッジ効果)
- 24時間いつでも取引できる(平日のみ)
- 上昇・下降どちらでも利益を狙える
- 株式よりもシンプル(通貨ペア数が少ない)
🚨FXの注意点
- レバレッジで資金を一気に失うリスクあり
- ギャンブル的な使い方はNG
- きちんと学べば「堅実な資産運用手段」にもなる
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