ハイレバFXとは、高いレバレッジを活用して外国為替(FX)の取引を行う手法のことです。
詳しくは後述しますが、外国為替をわかりやすく表現すると、日本円と外国通貨の両替です。そして、FX取引というのは、ある程度まとまった金額の両替を行い、為替変動で発生する損益を求めるマネーゲームです。
レバレッジという機能を活用すると、少ない資金でも大きな金額の両替を行うことが可能になります。
たとえば、資金が10万円でレバレッジを100倍に設定した場合、最大で1,000万円分の両替が可能になります。これにより、小額資金でも大きな利益を狙えるのがハイレバFXの魅力です。
これらについて、詳しく説明していきます。
FXの基本
FX(Foreign Exchange)とは、外国為替証拠金取引の略称のことで、異なる通貨を両替して利益を得るマネーゲームです。
難しい話はさておき、FXをわかりやすく例えるために、あなたがアメリカに旅行するとしましょう。
その際、日本円を米ドルに両替しますよね。そして旅行を楽しみ、帰国後に余った米ドルを日本円に両替します。
旅行前は1ドル150円だったドル円が、帰国後に1ドル155円に値上がりしていた場合、日本円に戻すと1ドルあたり+5円多く両替して貰えることになります。※両替手数料は考慮しない
具体的には、1ドル150円の時に100,000円分米ドルに両替すると約666米ドルになります。そして、155円に値上がりしてから666米ドルを日本円に両替すると、あなたの手元には103,230円戻ってくることになり、ドル円相場が上昇したことで、3,230円も得をしたことになります。
逆に、帰国後にドル円が下落してた場合、日本円に戻すと損をします。
FXの基本的な考え方はこの通りですが、FXの取引はレバレッジを活用して大きな金額で行うので、ちょっとの為替変動でも大きな損益になります。
レバレッジとは
レバレッジとは、証拠金を担保にすることで、少ない資金でも大きな取引ができる仕組みのことです。
手持ちの資金が10万円しかなくても、レバレッジを100倍掛けることで、システム上では1千万円の資金として取引を行うことが可能になります。
ちょっと難しい話に思えるかもしれませんが、大事な話なのでよく読んで理解してください。
証拠金とは
FXは、証拠金を担保に取引を行う仕組みになっています。
FX業者は、顧客にレバレッジを使ったトレードをしてもらうために、内部的にお金を立て替えています。
1ドル150円の時に1万米ドルに両替するためには、150万円必要になるのですが、レバレッジを使えばそんな大金は必要ありません。
たとえば、レバレッジ100倍の場合、1万米ドル取引するために必要なお金は1.5万円だけです。これが証拠金と呼ばれるものであり担保になっています。
必要証拠金 = レート × 数量 ÷ レバレッジ
顧客がトレードで失敗しても、FX業者が損をしないために担保を取っていると考えてください。
ロスカット執行率
FX業者にはロスカット執行率というものが設定されています。
これは顧客のポジションを強制的にロスカットするための仕組みで、顧客の損失拡大を防ぐための措置と説明されていることが多いです。どの業者にも率は違えど設定されているものです。
証拠金がロスカット執行率で計算された金額を下回るとロスカットが執行される仕組みになっています。
強制ロスカット = 必要証拠金 × ロスカット執行率
業者によってこの率は異なりますが、XMの強制ロスカット率は20%で設定されています。
レバレッジ100倍の場合、15,000円の資金で1万米ドルを取引した場合の必要証拠金は1.5万円ですから、有効証拠金が3千円を下回った時点で強制ロスカットになります。
要するに、1.5万円の資金で1万通貨のトレードをして、含み損が1.2万円を超えれば強制ロスカットということです。
今回のトレードで、FX業者は1.2万円を回収できれば損をしないということなんです。
レバレッジの仕組み
レバレッジの倍率によって、必要証拠金額は変わってきます。
シンプルに、レバレッジの倍率が高いほど必要証拠金は安くなります。
必要証拠金 = レート × 数量 ÷ レバレッジ
1ドル150円のドル円を、1万通貨取引する場合で考えてみます。
レバレッジ | 必要証拠金 |
---|---|
1倍 | 1,500,000円 |
25倍 | 60,000円 |
100倍 | 15,000円 |
500倍 | 3,000円 |
1000倍 | 1,500円 |
必要証拠金が安くなると何が嬉しいのかというと、取引数量を増やせることにあります。
先ほどまでの話で強制ロスカットの話をしてきましたが、その基準となる必要証拠金がやすくなるので、取引できる数量が多くなります。
例えば、1万円の資金でレバレッジ500倍を掛けてドル円を1万通貨取引したとしましょう。この場合、1万通貨の取引をするために必要な証拠金は3,000円ですから、理論上3万通貨まで取引することが可能です。
これがレバレッジ1,000倍になると、1万通貨あたりの必要証拠金は1,500円になりますから、最大6万通貨までの取引を行えます。
こう書くと、レバレッジが高い方が有利だと思うかもしれませんが、FXは逆行のリスクを考慮しなければいけませんので、全力投球でトレードをしても上手くいかないようになっています。
ハイレバの特徴
ハイレバは、少ない証拠金で大きな数量を取引できますので、ハイリターンを見込めますが、ハイレバになるほどリスクも高くなります。
前提となる話を含めて、ハイリターンとハイリスク別に説明します。
最大レバレッジについて
現在、国内のFX業者の最大レバレッジは25倍に規制されています。昔は250倍とか高いレバレッジを使えていた時期もあるのですが、無謀なトレードをして破産者が続出したため、金融庁がレバレッジの規制を行い、今に至ります。
日本の金融庁が関与できない海外FX業者にはレバレッジの規制がありませんので、数百倍のレバレッジを使うことができます。
海外FXは法律違反であるという声も耳にはしますが、現時点で海外FXを利用することは違反にはなりません。ただし、海外業者ということもあり色々懸念される人が多いのは事実です。
不安に思う人は国内業者を使って、資金量が少ない人は海外業者を使うといった感じで、自然と棲み分けが出来ています。
国内業者のメリット、海外業者のメリットはそれぞれにありますが、話が長くなりますので、ここでは割愛させていただきます。
ハイリターンが見込めるハイレバレッジ
ハイレバレッジを用いた取引では、短期間で資金を数倍にすることが可能です。
具体的には、次のような感じで考えてください。
これは、一回の取引で資金を20%増やすことを目標にした複利運用のシミュレーションです。
見て分かるとおり、トレード内容的にもある程度リスクを考慮したものになっておりますが、4回のトレードで初期資金が2倍になっています。
資金量を増やせば得られる利益も膨らみます。数回トレードしただけで100万円に到達するなんてことも不可能ではありません。本気で1億円を狙うことも可能です。
損切りについて
ハイレバで勝ち続けることができれば、誰でも簡単に億万長者になれます。
FXの何が難しいのかというと、逆行したときに生じる損失の処理です。
損切りは、損失の拡大を防ぐための基本的な措置ではありますが、躊躇なく損切りできる人は少ないです。
- もしかしたら戻ってくるかも・・・
- プラスマイナスゼロになったら一回逃げよう・・・
どうしても淡い期待を抱いてしまいます。また、損切りした瞬間に戻ってくるケースも多々あるので、損切りする覚悟を決めることはかなり難しいです。
ハイリスクなハイレバトレード
ハイレバトレーダーが破綻しやすい理由は、シンプルにレバレッジが高すぎるからです。
もちろん相場を読むスキルも必要ですが、それ以前にハイレバでギャンブルに近いトレードをやってしまう人が大多数だからです。
レバレッジ500倍の場合
例えば、次のようなトレードプランを見てください。資金1万円でレバレッジ500倍、購入可能な数量ギリギリまで攻めたトレードプランになっています。
この取引での余力は約7,500円。3万通貨での取引ですから、25PIPS(25銭)で7,500円に到達します。
運良く25PIPS取れたら7,500円の利益になりますが、逆行してしまうとロスカット確定でお金がなくなってしまいます。
この取引の何が悪いのかというと、逆行までの余力が少なすぎることです。
レバレッジ500倍にすることで、必要証拠金が安くなってしまい、購入可能数量が増えていること。また、自己責任ではありますが、システム上このような無茶なトレードが出来てしまうことが問題なんです。
レバレッジ100倍の場合
資金1万円でレバレッジ100倍。注文可能数量ギリギリ買っても、ロスカットまでの余力は110PIPSもあることがわかります。
破綻する最大の理由
同じ全力トレードをやるにしても、レバレッジが違うだけで、ロスカットまでの余力が全然違うことが分かっていただけたと思います。
でも、注文数量が少ないから、利益が取れてもあまり稼げないんじゃ?と考える人がいるかもしれませんが、稼ぐ前にロスカットされて終わる方が最悪じゃないですか?
勝つことばかり考えるのではなく、逃げられるトレードの仕方を考えることが重要です。
プロでも負けることがある世界で、素人がプロ以上に稼げるはずがありません。
唯一、プロはハイレバを使わないので、稼ぎの伸びしろはハイレバに利がありますが、結局FXなんてものは知識と技術がなければ勝てないようになっています。
ハイレバを使うのは、知識と技術を付けてから。
ハイレバは超上級者向けのツールなんです。
ハイレバは当たればでかいです。当たればね。でも、ほとんど当たりません。当てるためには勉強してください。