
移動平均線正しく使えていますか?
トレードにおいて、基礎が全ての土台になります。分かっているつもりでちゃんと分かっていないかもしれないし、苦手意識を持っている人もいるかもしれない。
いい機会なので、一緒に移動平均線を復習しておきましょう!
移動平均線とは

移動平均線とは、株価や外国為替のテクニカル分析に使用される代表的な指標の一つです。
過去の一定期間の終値の平均値を求め、それを連続の線でつないだものを指します。この移動平均線は、相場のトレンド(基調)を読み取るための重要なツールとなっています。
移動平均線の定義
移動平均線は、一定期間の終値を平均化し、それを連続的に描画したラインです。
例えば、5日間の移動平均線であれば、過去5日間の終値の平均値を計算します。この移動平均線は、価格の上昇トレンドや下降トレンドを視覚的に理解するのに役立ちます。
移動平均線の計算方法
移動平均線の計算方法は非常にシンプルです。
例えば、5日間の移動平均線を計算する場合、基準となる日から5日間遡った終値をすべて足し合わせます。次に、足し合わせた結果を5(日数)で割ります。
計算式 :( n + n1 + n2 + n3 + n4 ) / 5
これにより、5日間の平均終値が得られ、これが移動平均線の一点となります。この計算を毎日続けることで、移動平均線が形成されます。
日数 | 価格 | 平均値(5日) |
---|---|---|
1 | 100 | – |
2 | 101 | – |
3 | 102 | – |
4 | 103 | – |
5 | 104 | (104+103+102+101+100) / 5 = 102 |
6 | 110 | (110+104+103+102+101) / 5 = 104 |
移動平均線の種類

移動平均線に計算方法が異なるいくつかの種類があり、それぞれ特徴があります。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線(SMA)は、その名の通り最もシンプルな移動平均線の形です。
一定期間の終値を平均化しただけの、単純な移動平均線です。例えば、5日間のSMAは、過去5日間の終値を足して5で割ったものです。
このSMAは、大きな市場の方向性を探る上で非常に有用です。
指数移動平均線(EMA)
指数移動平均線(EMA)は、最近のデータにより重みを置くタイプの移動平均線です。
EMAは最新データを重視しているため、価格の変化に敏感に反応する特徴があります。
EMAは、市場の変化に素早く反応しますが、その反面、市場の一時的なノイズにも反応しやすいという特性があります。
重み付き移動平均線(LWMA)
重み付き移動平均線(LWMA)も、EMAと同様に最新のデータに重みを置きますが、EMAとは重みの付け方が異なります。
LWMAでは、最新のデータに最も大きな重みが置かれ、その前のデータには少し小さい重みが置かれ、さらにその前のデータにはさらに小さい重みが置かれる、というように、時間が遡るにつれて重みが小さくなります。
移動平均線の目的
移動平均線は、価格の動きをスムーズにし、価格の変動を平滑化するために使用されます。これにより、一時的な価格の変動やノイズを無視し、長期的な価格トレンドを明確に捉えることが可能になります。
例えば、価格が上昇トレンドにあるか、それとも下降トレンドにあるかを判断するのに移動平均線は大いに役立ちます。
トレンドの識別

FX取引では、価格の動きを予測するために移動平均線が頻繁に使用されます。移動平均線は、過去の一定期間の終値の平均値を求め、それを連続の線でつないだものです。
この線が上向きであれば「上昇トレンド」、下向きであれば「下降トレンド」を示しています。
レジスタンスとサポートの特定

移動平均線はまた、レジスタンス(抵抗)とサポート(支持)を特定するのにも役立ちます。移動平均線を抜けることなく元のトレンドに修正される事が多いため、押し目や戻り売りのポイントとして機能することもあります。
移動平均線がこれらのレベルを特定するのに役立つ理由は、多くのトレーダーが移動平均線を使用しているため、これらのラインが世界レベルの基準となっているからです。
つまり、多くのトレーダーが同じレベルで取引を行うため、これらのポイントで価格が反転する可能性が高くなります。
以上のように、移動平均線はFX取引における重要なツールであり、トレンドの識別やレジスタンスとサポートの特定に大いに役立ちます。これらの情報を利用して、より効果的な取引戦略を立てることができます。
移動平均線の実践的な使い方
移動平均線を使った3つの主要な戦略があります。
- トレンドフォロー戦略
- ブレイクアウト戦略
- クロスオーバー戦略
トレンドフォロー戦略

トレンドフォローは相場の基本テクニックです。移動平均線の角度や価格との差を見て、トレンドの強さが判断します。
トレンドフォロー戦略では、移動平均線が上向きであれば「上昇トレンド」、下向きであれば「下降トレンド」と判断します。
この戦略は、相場が一定の方向に動いているときに最も効果的です。
ブレイクアウト戦略

ブレイクアウト戦略では、移動平均線が特定のレベルを突破する瞬間を売買サインとして考えます。これは、相場の方向性が一気に変わる可能性が高いということを意味しています。
だましブレイクなどもありますので、判断は慎重に行ってください。
クロスオーバー戦略

クロスオーバー戦略は、2つの異なる期間の移動平均線が交差するポイントを探します。
例えば、長期的な移動平均線が短期的な移動平均線を上向きに突破した場合、これは「ゴールデンクロス」と呼ばれ、強い買い信号とされます。
逆に、長期的な移動平均線が短期的な移動平均線を下向きに突破した場合、これは「デッドクロス」と呼ばれ、強い売り信号とされます。
この戦略は、相場の方向性が変わる可能性がある瞬間を捉えるのに非常に有効です。